レンタルCDの名店、日本橋・K2レコードへ。
冨山店長を直撃。

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大阪・日本橋でんでんタウン。パソコンショップとアニメショップが軒を連ねる大通り沿いに、コアな音楽ファンから絶大な支持を集めるCDレンタルショップ「K2レコード」があります。
「東のジャニス、西のK2」とも称され、関西出身のミュージシャンのインタビューなどにもたびたび名前が上がるこのお店には、懐かしの名盤から知る人ぞ知る大注目のインディーズまでがところ狭しと並びます。ちなみに、ジャニスは東京・御茶ノ水にあるレンタルCDの有名店。
そんなレンタルショップの名店が、OURS.初登場。開店前におじゃまして、冨山浩志店長にお話をお伺いしました。

K2レコード●大阪府大阪市浪速区日本橋3-6-3 日本橋NFビル1F
http://k2records.jp/

 

#1 音楽好きが集まって、CDを貸し借りしてる感覚

―今日は開店前にありがとうございます。「カリグラシ」を謳って、関西を拠点にしているOURS.としては、K2レコードはいつか紹介したいとずっと思ってたんです。ただ、あまり取材とか受けられないのかなと、なんとなく勝手に……。

冨山:全然そんなことないんですけどね。むしろありがたいです(笑)。

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―それにしてもいつ見ても圧巻の品揃えですね。音楽好きなら間違いなく「なんでこんなのレンタルに置いてんの?」というCDがたくさん。

冨山:在庫で言うとだいたい10万枚くらいあります。もちろん店に並べられる枚数には限界がありますし、その中での偏りもありますから、お客さん的にはまだまだ満足いただいてないところもあるかなとも思いますが。

―棚の構成を見ているだけでニンマリしてしまいますね。洋楽だけでも、「70年代ロック/ポップ/フォーク」「パンク/ガレージ」「モッズ」「エモ」「AOR」「プログレ」「アシッドフォーク」……中には「宅録くんと個性派シンガーソングライター」なんて棚もあったり。

冨山:ジャンル別の棚が全部で100くらいあって、その間に70~80くらいの特集の棚を散らして作ってます。初めて来たお客さんにはたいてい驚かれますし、ウェブサイトの一番上にも「100以上のジャンル分け!」って書いてるんですが、普段はそんなに意識することはないです。たまに見直して「こんな棚あったんや」って思う時もありますよ。

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―実際の仕入れというか、CDのチョイスは誰がされているんですか?

冨山:アルバイトも含め6~7人のスタッフに担当する棚を割り振ってやってもらってます。これだけ予算あげるから、この中でどうぞって。

―やっぱりスタッフも音楽好きな人が多いんですか。

冨山:それはもう、100%そうです。もともとお客さんとして店に通ってきてくれていて……あ、そもそもうちの会員さんはもれなく音楽好きなので……それでバイト募集に反応して来てくれた人もいますし、会員じゃないけど日本橋にマニアックなCDを貸してるレンタルがあると聞いて興味を持って来てくれた人もいます。あと、自分でバンドやってたりする人も。

―でも、そうなると品揃えが個人の趣味に偏りますよね。お店としてはひと通り抑えておきたいっていうのもあるでしょ。

冨山:そうなんですが、実はそれほど意識はしてないです。たしかに商売として抑えておかなきゃいけない部分はあるんですけど、基本的にはそれぞれの担当が好きなもの、聴かせたいと思うものを入れてもらってます。

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―「好きなもの」=「聴かせたいもの」って感覚なんですね。

冨山:優先順位としては、まず自分が好きだったり聴きたい音楽があって、その上でお客さんに聴かせたいって思えるものだったり、逆にうちのお客さんだったらこれ好きそうやなって思うものだったり、そういうことも含めて「好きなもの」って感じです。

―かなり具体的にお客さんのイメージが見えてるんですね。

冨山:そうですね。音楽好きが集まったら、「最近このCD買ったけど聴く?」とか「じゃあこれ聴いた?」みたいになって、その延長でCDの貸し借りをしたりするでしょ。あの感覚に近いかもしれません。実際、お客さんからのリクエストで入荷するものも少なくないですし、そもそも10人足らずのスタッフでは足りないことばかり。だから、音楽を好きな者同士が集まって、お客さんに店の棚を作ってもらってるところも大きいと思います。

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文:岩淵拓郎(メディアピクニック) 写真:米田真也(anthem photoworks)


THE BORROWERS

借り暮らし、貸し借り、賃貸にどんな可能性がひそんでいるのか。多彩に活躍する方々へのインタビュー取材を通してその魅力に迫ります。いいところ、大変なところ、おもしろさ、面倒くささ…きっといろんなことが浮かび上がるはず。