5.おばあちゃんになるくらいまで、ここにいよう

昨年、チャルカの店舗物件に立ち退き話が出たそうだ。
聞けば、チャルカの土地にマンションを建設したい業者がいて、オーナーも売りたいとのこと。
ここ最近、谷町6丁目周辺では古い長屋が壊された後にマンションが建つという話をちらほら聞く。

チャルカが北堀江から移転してきて4年、ようやく落ち着いたところでまたいちから始めるのは…と悩んだすえに、店の建物の購入を決めたそうだ。
それと同時に、これから先、谷町で長く暮らしていくことも決めた。
一大決意。

久保:おばあちゃんになるくらいまで、この場所に住もうかと。そう思ってから、この家のキッチンもつくりかえることにしました。

知り合いの家で10人座れる木のダイニングテーブル兼キッチンを見て、憧れ続けていた久保さん。
手入れも思ったほどかかっている様子もなく、10年経っても痛みがないところを見極めて、自宅も木のキッチンにした。

久保:厚みのある木がよくて。もともと家で使っていたテーブルも木の天板に鉄の足を付けただけのものだったし、木が好きなんですよ。

確かに、すらっと横に伸びていく木のキッチンを見ると美しさを感じる。
木の温もりとはよく言うけれど、ステンレスが当たり前となった現代のキッチンに慣れていると、ことさら木の温度感ということが強調されるように思う。そして、このキッチンの驚きは素材だけにとどまらない。

 
6.すべて木でできた理想的なキッチン へつづく

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THE BORROWERS

借り暮らし、貸し借り、賃貸にどんな可能性がひそんでいるのか。多彩に活躍する方々へのインタビュー取材を通してその魅力に迫ります。いいところ、大変なところ、おもしろさ、面倒くささ…きっといろんなことが浮かび上がるはず。