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「団地の詩」は、団地住まいの方から聞き取った暮らしのエピソードをもとにしています。今回は、伝法団地で聞いた話から、小鳩ケンタさんが1編の詩を書きました。

小鳩ケンタ:文筆/パフォーマー/詩人。言葉とパフォーマンスにより動体としての詩を立ち上げる。

*詩のもとになった団地エピソード

□人生まだまだ

朝、仕事へ行こうとエレベーターに乗っていると、途中の階から60歳くらいのおばちゃんが乗ってきました。「お、若い子や。あんた、いくつや、学生さんか」と聞かれたので、「27歳です」と答えると、「27か! 学生ちゃうんやな。20代、まだまだ人生長いで、がんばりや!」と言われました。

□花火は廊下から

今年の夏、はじめて団地から淀川の花火を見ました。友人と団地前のスーパーでお酒を買って、雨が降っていたので屋上は断念して、団地の窓から見ました。いつも会うと挨拶してくれる幼稚園くらいの少年もおばあちゃんと廊下に出ていました。

□わたしの部屋で

うちへ遊びに来た友人5人と晩ごはんを食べました。ワンルームマンションに住んでたら、こんなには友人を呼べなかったなぁと思いました。帰りに団地の屋上へと案内すると、みんなのテンションが上って、たくさんの写真を撮っていました。

□地震の夜

地震があった時、ひとりで怖かったので、玄関を開けて廊下をのぞいていたら、向かいの老夫婦の声が聞こえてきました。「えらい揺れたなぁ」「上の階やから、よう揺れるなぁ」と会話しているのを聞いて、すこし安心しました。

□となりのYさん

となりの部屋に暮らすYさんは、新聞配達の仕事をしていて、朝3時には出勤、いつも2時起床だそうです。入居初日に挨拶に伺った際に教えてくれました。ときどき、アラームの音がなかなか鳴り止まないことがあり、Yさん起きて! と心の中で思っています。

 

カリグラシコラム

そのことを仕事にしている人もいれば、普段の暮らしの中でモヤモヤとした思いが浮かんでいる人もいる。借り暮らしにまつわる意見や考えを、さまざまな人たちが自由なスタイルで綴ります。