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大阪生まれ奈良在住。システムエンジニア、材木屋&建築設計と施工のキャリアを経て、現在は領域横断的デザインプロデュースを生業にする。2016年から大阪芸術大学デザイン学科の講師も務める。
https://narasora.amebaownd.com/

5月27日(日)

奈良から大阪へと向かう電車。日曜日は観光客が多くて、ホームも車内もそこそこ混んでいる。でも車両を選べば、二人がけの椅子に一人で座れる。そんな奈良が好き。子どもの頃、僕は大阪に住んでいて、(自分で言うもの何だけど)いわゆるボンボンだった。当時、親父が経営していた会社も、高度経済成長の波に乗ってそれなりに儲かっていたのだろう。お医者さんの子どもたちに混じって、私立の小学校に通わせてもらっていた。電車を乗り継いで、毎日40分の通学。でも、僕にとってはその時間が苦痛でならなかった。なんで眠たい目をこすりながら、こんなギュウギュウ詰めの電車に押し込められなければならないのか。なんでピカピカのランドセルに、汗だくのサラリーマンの重たい腕を載っけられても我慢しなければならないのか。毎日毎日、いやでいやでしょうがなかった。思えば、その頃から人の多いところが嫌いだ。そしてその頃の不満が今、いろんなものをつくる時の源泉になっていたりする。心の中にいつも、満員電車の中でランドセルを背負った僕がいる。

5月28日(月)

あさイチから、奈良県立図書情報館で「わたしのマチオモイ帖」奈良展の搬出作業。終わってすぐ生駒へ移動。ドライブスルーで注文した野菜チーズバーガーをコーヒーで流し込みながら、秋のイベントの打合せへ。終わってまたすぐ移動、大阪芸大へ。デザイン学科の非常勤講師をはじめて3年目。デザインプロデュースの企画を考える、1回生が対象の講義。今日はHクラス、最終課題の発表会。1人10分の持ち時間で、18人のプレゼンを聞く。
なかなかの力作ぞろい。みんなよく頑張った。ヘロヘロになって帰り道、無性にびっくりドンキーに行きたくなる。チーズバーグディッシュ150gを完食。いちばんプロデュースできていないのは自分自身の食生活。

5月29日(火)

朝から事務所。メールのやり取りなどで、午前中の時間が過ぎていく。最近、他県での仕事も少しずつ増えてきてワクワク。これからもずっと大好きな奈良にいるつもりだけど、もっといろんな場所に行って、もっといろんな人と出会って、もっといろんなおもしろいことをしたいと思う。
午後から大学へ。今日はDクラスの日。17人のデザインプロデュース企画のプレゼンを聞く。
自宅への帰り道、あと100mのところで雨が降り出した。もうすぐ5月も終わり。

5月30日(水)

朝風呂派。湯船に浸かってボーッとするのが好き。時間が許すなら、一時間でも二時間でも入っている。今日はなぜか頭の中で、小林麻美さん往年のヒット曲「雨音はショパンの調べ」がリフレイン。あの頃、僕は中学生。たしかこのアルバムは貸レコード屋さんで借りて、ソニーのカセットテープ“HF-S”に録音して聴いていた。ケースには、“FM STATION”という雑誌の付録についていた鈴木英人さんのイラスト入りラベルを入れ、インデックスにはひとつひとつの曲名を手書きしていたなあ…なんて懐かしい記憶が蘇る。そういえば「半分、青い。」の主人公・鈴愛は、僕と同じ1971年生まれの設定。ドラマに出てくるモノや風景などすべてが懐かしく、ついつい見てしまう。登場人物それぞれの心理描写が細やかで唸ってしまう。中でも、豊川悦司さん演じる秋風羽織がおもしろい。大漫画家のくせに弟子の鈴愛と意地の張り合いをしたり、興奮すると関西弁になったり。しかし、ここ一番という時には愛弟子たちに素晴らしいアドバイスをする。そんな彼の代表作は、「いつもポケットにショパン」。あ…ショパンで繋がった…。
そんなこんなで、午後から大学へ。今日はLクラスの日。16人のデザインプロデュース企画のプレゼンを聞く。
最近、実に様々な領域でデザインプロデュース人材が求められていると感じる。しかし残念ながら、当の本人である学生たちはそのことに気がついていない。採用する企業サイドも、どこにそんな人材がいるのかわかっていないよう。もったいない。そしてこれは、チャンスなのだよなあ。

2018年4月1日にスタートしたリレー日記です。1週間単位でさまざまな方に暮らしの日記を執筆いただいています。

カリグラシコラム

そのことを仕事にしている人もいれば、普段の暮らしの中でモヤモヤとした思いが浮かんでいる人もいる。借り暮らしにまつわる意見や考えを、さまざまな人たちが自由なスタイルで綴ります。