コピーライターとして勤務する傍ら、写真家、UFOを呼ぶバンド「エンバーン」のリーダーとして活動中。おもろいポスターで地域を元気にする『商店街ポスター展』の仕掛け人。ツッコミたくなる風景ばかりを集めた『隙ある風景』日々更新中。6月に初の著書『迷子のコピーライター』を出したばかり。
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7月12日

久しぶりに家でゆっくりとする。ここで家について語ろう。我が家は昨年4月にできたばかり。古いマンションを全面リノベーションしたのである。テーマは「和ラブ」。和をLOVEしているわけではない。「和とアラブ」(W-ARAB)の融合である。廊下や部屋の入口はすべてアラビアンアーチ。タイルもモロッコ風。壁は白とマラケシュのピンク。床はヒノキのフローリング。玄関を開けるとまたドアがある。障子や欄間といった和の要素も入れている。アラブ:和 = 8:2ほどになってしまったがよい感じに仕上がっている。既存の家の作り方とは違う作り方で家を作った。設計は義理の弟の建築士、大工は棟梁が映画美術の友人、他の大工も友人ばかり、左官も友人。工務店はほとんど通さない。みんな家づくりの経験はあまりない。スタッフ同士が喧嘩した。誰かが失踪した。いろんな事件が起きた。しかし、いいこともあった。図面通り作って違和感があればその場で変えた。急にひらめいたアイデアを入れ込んだ。現場の直感を大切にした家づくり。扉は少し開きにくいが、我が家のことは大好きだ。

7月13日

長野へ。本の出版イベントを長野市の「やってこ!シンカイ」という場所でやる。トークの相手は、シンカイのオーナーであり、ジモコロ&BAMP編集長の徳谷柿次郎くんと長野県飯山市の奇跡のフリーペーパー『鶴と亀』を作った小林直博くん。テーマは「今生きてる場所でやるんやで」。東京に行きたいかもしれない、NYに行きたいかもしれない、でも、地元で生きるしかねえと開き直り、だったら今生きている場所をおもしろくしてやろうじゃねえか、そんなことをみんなで語った。いい夜だった。

7月14日

柿次郎くんたちと長野市内から車で1時間ほどの戸隠のキャンプ場へ行く。初めての沢、時間があまりない中見事にイワナを釣り上げる。20センチほどのきれいなイワナだった。それを、炭火で焼いて食う。最高だ。マダイの悔しさを晴らすために誠司にイワナの写真を送りつけた。夜10時にシンカイの若い衆たちとキャンプ場で合流し、UFOを見に行く。加美町での体験を語るとみんな行きたいと言ったから連れて行くのだ。キャンプ場から少し離れた鏡池という所に行く。真っ暗だ。本当に何も見えない。さあ、UFOを呼ぼう。といってもiPhoneのフラッシュを点滅するだけである。何かが地表近くで光っている。それが近づいてきた。みんなが緊張する中、やってきたのはホタルだった。十数分後、曇ってまったく星が見えなかった空に3つか4つほど光が現れた。それは動いていた。ゆらめく、弧を描く、明らかにそれは星ではなかった。ずっと空を見上げると首が痛いのでみんな地面に寝転んだ。その場にいた12名全員が。真っ暗闇で全員が星を黙って見上げていた。ずっとそれは見えていた。「見えた」という人間もいれば「星じゃねえの」と疑っている人もいた。時間がどれぐらい経ったかわからない。夜も遅いのでそろそろ帰ろうかと立ち上がったとき、まるで夜空で線香花火をしているようなゆらゆらとゆらめくオレンジ色の玉が空に浮かんでいた。そして、線香花火のようにジッと消えた。疑っていた人間たちもこれは見た。全員が確実にUFOを見たこととなった。「平成最後の夏、とてもいい思い出ができたね」と12人みんなで語ったのだった。

以上がぼくの1週間である。奇しくも初日と最終日にUFOを見たこととなった。フィクションのようだがこの日記はすべて事実である。ただ、いつもと違う1週間がそこにあっただけである。

2018年4月1日にスタートしたリレー日記です。1週間単位でさまざまな方に暮らしの日記を執筆いただいています。

カリグラシコラムとは

そのことを仕事にしている人もいれば、普段の暮らしの中でモヤモヤとした思いが浮かんでいる人もいる。借り暮らしにまつわる意見や考えを、さまざまな人たちが自由なスタイルで綴ります。