1960年、大阪生まれ。趣味【1】落語(世話人、台本執筆)、【2】ビール一気飲み(負けたことなし)、【3】「神戸ニニンガ日誌」絶賛連載中。フェリシモ・広報部にて絶賛PR中。
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8月23日

誕生日。40年前の坂田利夫のギャグに「地神兼松五十八才」があった。名前と年齢しか言っていないのにそこはかとなく可笑しい。まだ十代の俺には五十八才は先のこと過ぎてその差のあり様がオカしかったのだと思う。面白いという意味と変だという両面での「オカしい」ことだったのだろう。まだ三十代の坂田利夫が「五十八才」と言って笑かしていた。両親よりもまだ上の年齢を聞いてあまりの現実味の無さに俺は笑った。ギャグのフルバージョンでは「地神兼松五十八才ワイヤーロープ製造業」である。坂田利夫の父親の氏名年齢職業を連ねた。それを聞くと少し哀しい。桂米朝は落語家の適する資質として「アホではできまへん。そやけどカシコでもできまへんな」という。「アホ」の坂田も同じである。坂田利夫は昭和16年10月生で、同年12月には真珠湾攻撃し、戦争が始まった。戦前・戦中・戦後と相当苦労し、がんばった坂田利夫の父は「地神兼松五十八才」をどのように聞いたのか。俺は大阪・福島の厚生年金病院で生まれた。逆子で臍の緒が首を巻き、仮死状態だったという。屋上に行って2つのタライに水と湯を張り、足を持って逆さに浸けたら泣いたという。もし夏でなかったら、昼間でなかったら、医者が機転を効かせていなければ。そのような「タラ・レバ」の重なりの末にこの世に生を受けたのだ。本日で還暦・定年までちょうど2年の俺もいつか美女に耳許で「ア・ホ」と言われてみたい。

8月24日

昨日は台風20号が来るというのに午後5時になってもピーカンで、全くその気配がない。結局いつも通り帰宅して、整骨院に行く。そう、五十肩で左腕の動きが制限されている。それ以上動かすと激痛が走るのだ。五十八にもなって「五十肩」はないだろうが、六十肩とはあまり言わない。医院では柔道整復師のお兄さんが担当してくれる。約1ヶ月通って分かったことは【1】痛くてもそこを動かすこと【2】筋力をつけること【3】水を一日2リットル以上飲むこと【4】常に良い姿勢を保つことである。この教えはビジネスの世界にも言えることだ。【1】強みは弱点の近くに潜んでいる【2】一番の主力商品は何か【3】栄養や潤滑や流れや交差の元となる情報や元手を仕入れて流しているか【4】常に前進しているか、常に改革しているか、である。一番キツかったのは【3】であった。水を2リットル以上飲むのは意外に苦しい。私はとある年の夏休みに「一日5リットル日記」というものを付けていた。毎日ビールを5リットル飲んだ実録である。ビール5リットルというと大変なように思うが、ロング缶を10本飲めばいいのだ。休日なので、20時間程の間に達成すればいい。起きている間に2時間あたり1本でいいのだ。あまつさえ真夏である。私は毎日5リットルずつビールを飲み続けた。ビールを毎日5リットル飲み続けて分かったことは私はビールが好きだ、ということ。そしてもっとビールが好きになったということ。仮にビールを止めれば五十肩が治るといわれてもそれは無理だ。ましてや五十肩とビールは関係ないだろう。そんなことより、台風の影響で阪神尼崎駅のホームで1時間40分待った。中々の苦行であった。エエ加減にしてくださいよ、「飛来物」さん。

8月25日

この日記は初日200字で始まり、その後一日50字ずつ増やした。なので今日は500字あるのだ。また自分を指す代名詞「私」と「俺」を各日で入れ替えた。今日は「俺」の日だ。そして今日は256回目の「神戸学校」開催日である。役得として俺はゲストと共にランチした。本日のゲストはあのヨシダナギさんであった。アフリカの少数民族が好き過ぎて、その黒い肌や文化を格好よく伝えるために普段着で時間をかけて、ちゃんと仲良くなった上で撮影をする。エチオピアのアフロ髪のアファール族に出会うためにおそろしく時間がかかり、出会ってから撮影するまでに大変な道のりがあった。アファール族の白いアフロは牛脂を塗っているそうだ。今はアマゾンにも足を伸ばしている。以前テレビでアマゾンの「イゾラド」族を見ていた。本当に未開の部族で、変なコミュニケーションをすれば殺される。また、インドで出会った苦行僧のサドゥが400万人から500万人いて、それが人口に加えられていないという件を調べに行った。そこでも奇跡的な出会いがあり、ナギさんはそこでも奇跡的な写真を撮っている。いや、それは奇跡的ではなく、ヨシダナギという媒介がすぅと呼び寄せてしまうのかもしれない。ヨシダナギさんにはそのようなオーラがある。最後に神戸学校の司会者がナギさんの夢を聞いたら「ありません」と即答。アフリカに通っている中で、特に先のことを考えたり心配したりするよりも今この瞬間や今日の一日を幸せに楽しく暮らせる方がより人間的ではないか、と気づく。フォトグラファーにも執着しておらず、今は家具職人に興味があるという。俺が思い出したのは井上ひさしさんの言葉だ。「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに」。ナギさんの1万2千円の写真集「HEROES」(ライツ社)が会場で52冊売れた。

2018年4月1日にスタートしたリレー日記です。1週間単位でさまざまな方に暮らしの日記を執筆いただいています。

カリグラシコラムとは

そのことを仕事にしている人もいれば、普段の暮らしの中でモヤモヤとした思いが浮かんでいる人もいる。借り暮らしにまつわる意見や考えを、さまざまな人たちが自由なスタイルで綴ります。