URA BORROWERS 秀吉編

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借り暮らしのヒントを求めて、
さまざまに活躍してきた人たちへのバーチャルインタビューを試みる
思いつき一発企画「裏ぼろわーず」。

歴史上「こんな借り暮らしあり??」的な現場を訪れて、
当時の想いを勝手に想像しながら妄想インタビューを試みてみました。

今回は、1592年に肥前(佐賀県)名護屋の地に甲子園のグランド13個分の巨大な名護屋城を、昨年の大河ドラマの主人公、ひらぱー園長が演じていた「黒田官兵衛」に命じ、たった5か月という短い期間で建てさせたくせに、約1年しか住まないで大阪城に帰っていった「豊臣秀吉さん」に、借り暮らしの極意について聞いてみました。

豊臣秀吉
1537年生まれ。1554年ごろから織田信長に草履取りとして仕え、信長の草履を懐に入れて温めたことで有名。本能寺の変以降とんとん拍子に出世して、1590年には小田原城の北条氏を倒して天下統一を成し、戦国の世を終わらせたお方である。

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──に、しても広いですね~。どこまで歩いても天守閣に着かないじゃないですかー?


「ハア ハア あーくたびれた。わしもこん時すでに55歳だでー。当時の55歳と言えば立派な後期高齢者じゃろ、坂ばっかりであちゃこちゃに段もあって、全然バリアフリーになっとらんし、今の大阪城みたいにエレベーターもついとらんし。そこいらにけつまづいて転んだら、死んでまうがやー。官兵衛の奴、わしの首を狙ろうとるに違いない、違いない!」

──そんなこと言ったら官兵衛さんがかわいそーでしょう。そー言えば、官兵衛さんや秀吉さんが住んでいた姫路城、つい最近めちゃきれいになってましたよ。



「姫路城かぁ…懐かしいのー。中国大返し、天王山の戦と、あん頃のわしはよー働いてたでのー。そうそう信長さまはそりゃーもー無体なお人で、内示もそこそこに遠くに飛ばされて、宿舎も自分で探さにゃぁならんかったし、住宅手当も大して出んし、ここだけの話、織田家はブラック企業だっただがやー。あちゃこちゃ住み替えを繰り返して、おかかにもどえりゃー怒られて、出世払いを約束されられてしもーたわい」

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──でも、単身赴任ではなかったのですね。



「その頃のわしらには子供もおらんかったでねー。身軽に動けたしのー。おかかと二人で見知らぬ土地に住んでは、その土地の風光明媚を楽しんだり、ご当地名物を味わったり…いつかは京の都で天下を取ると心の中で決めとったから、それまではどこに住んでも気ままな借り暮らしじゃったのー」

──ねねさんとはLOVELOVEだったんですね。



「ぬしもまだまだじゃのー。その土地土地には美人もおったけの(ムフ)」

──いいんですか、そんなこと言って。ねねさんに言いつけますよ。


「♪ちょと待てちょと待てお兄ぃ~さん♪」

──俗世にまみれてやがって…あっ! やっと天守閣跡が見えてきましたね。



「おい、こら! 勝手に人の城に入りやがって! えろうーぎょうさんの人がおるでないかー」

──いやいや、秀吉さんが名護屋城に居た頃に比べれば全然でしょう。なんでも名護屋城は、当時最大の規模を誇った大坂城に次ぐ大きさだったんですって? 城の周辺には徳川家康をはじめとし、伊達正宗や上杉景勝ら全国から160もの大名が陣屋を築いたそーですし、立派な天守閣も作っちゃったものだから、10万人を超す人口を抱える城下町になっちゃったそーじゃないですか?



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「そーじゃろそーじゃろ! なんせわしは天下人だでー。わしが行くって言えば当然みんなついて来るじゃろ。ここで 飲み会もやったけんど、欠席とか遅れるとかいう奴がおれば、領地没収してやったわい! ガーッハッハー」

──…ブラックだぁ。



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「わしはさみしがり屋さんだで。加藤清正も福島正則もみーんな一緒が♪あったかいんだから~♪」

──俗世にまみれてやがって…やっと上に着きましたね。すごい!景色のいいところじゃないですかー。



「………」

──ここが、毎日秀吉さんが眺めていた天守閣からの風景ですね。



「………」

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──秀吉さん、秀吉さん? どうかしましたか?

「…猿・日吉丸・藤吉郎・秀吉・大閤、これもまた皆がいやがるところでの我慢があったればこそ! 障子を開けてみよ。外は広いぞ。どこへ行ったって、日本全国は自分の庭だと思い、気ままな借り暮らしを楽しむのじゃー」

──ありがたーいお言葉。秀吉さん、本日は長い時間お付き合いただきありがとうございました。


おまけ

URA グルメD グルJo(城)編

名護屋城と言えば、「呼子のイカ」で有名な“呼子”のすぐ隣。ちなみに、いかの一夜干しは、「ドラえもん」と「アンパンマン」によって作られているのでありました。

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“ごはんは白じゃないとヤダー”と言う人たちにも、是非この磯の香がしっかりとしみついた炊き込みご飯の美味しさを味わっていただきたいものです。390円でもしっかりと味のしみたコリコリ「サザエ」が入ってました。

また佐賀名産「かぼすサワー」のほどよい甘すっぱさは、想像してたよりまろやかで、名護屋城ウォーキング後の体にほどよく浸み込む味でした。

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道の駅 桃山天下市
●佐賀県唐津市鎮西町名護屋1859
食べた日 15年3月

photo & text : Takeshi Harada