大阪R不動産スタッフによる、
不動産が楽しくなる本

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大阪のオモシロ&気になる物件を次々と紹介している大阪R不動産。スタッフのちゅらさんから、視線を変えてみれば、不動産へのアプローチも読みとれる4冊の本を教えていただきました。

recommended by
ちゅら(大阪R不動産)
2012年から大阪R不動産で主に賃貸物件の仲介を担当。賃貸は体験型の消費だと考えているので、面白そうな物件に出会ったら勢いで引越ししている。引越しが多いので持ち物はできるだけ少なく、軽く、折りたためるモノにするようにしているが、本はどんどん増えて…。
http://www.realosakaestate.jp/

recommend 01
書籍『使いみちのない風景』
(著:村上春樹 1994年)

海外を転々としてきた著者は、旅行はあまり好きではないらしい。ある雑誌の略歴で「趣味は旅行すること」と書かれていたが、旅行ではなく「定着すべき場所を求めて放浪している」のだから、「趣味は定期的な引っ越し」と書かれるべきだと考えているようだ。著者はこの生活を「住み移り」と定義している。僕も仕事柄なのか、1~2年のペースで引っ越しをしている。僕の場合、「場所」を求めてというより、面白そうな「物件」を求めて引っ越しをしているのかもしれない。だから、いつも住むまでほとんど知らなかった場所に住むことになる。正直、旅行も引っ越しも面倒臭いと感じる性格なのだけど、新しい物件や場所での暮らしを想像するとワクワクしてしまう。この本を読むときっと引っ越ししたくなりますよ。

recommend 02
書籍『小暮写眞館』
(著:宮部みゆき 2010年)

この物語の主人公の家は、寂れた商店街にある元写真館の店舗付住居だ。主人公となる高校生は嫌がっているが、両親はこの物件を購入して改装するときに、「小暮写眞館」の看板や写真を飾るウインドウを残したり、七五三などの撮影に使うロール・スクリーン式の背景幕があるスタジオをそのままリビングにして暮らしている。ひょんなことから、その「小暮写眞館」で現像された心霊写真の謎を主人公が解くことになる。助言をもらおうと訪ねた不動産屋の「世の中にはいろいろな人がいるから、いろいろな出来事も起こる。なかには不思議なこともある。そういう世界観で、僕はこの商売やってます」と言う不動産屋ならではのエピソードもおもしろい。僕はまだ不思議な経験はないけれど…。

recommend 03
書籍『家守奇譚』
(著:梨木香歩 2004年)

この物語の主人公は、学生時代に亡くなった親友の実家に「家守」として暮らしている。「家守」とは、家主が住まなくなった家に住み込んで番をする人のことだ。前の家主が家に置いていった掛軸から亡くなった親友が出てきて、庭のサルスベリが主人公に恋していると忠告したり、庭の池にカッパがやって来たりと奇妙なことが次々と起こる。主人公は、理解はできないけど、そんな不思議なことを受け入れて、のらりくらりと暮らしているという100年くらい前の物語。現代はピカピカにリフォームされた部屋に暮らすのが当たり前の世の中だけど、この物語を読んだら、前の住人の気配が残っていたり、少し不思議なことが起こる家に住んでみたくなりますよ。たぶん。

recommend 04
書籍『虚無への供物』
(著:中井久夫)

間取り図は物件の情報を判断するときに欠かせないものの一つだ。実際に物件を見に行く前に間取り図を見てどんな物件か想像を膨らませる。ミステリー小説のトリックの定番の一つに「密室殺人」がある。密室殺人のトリックを解くときに欠かせないのも間取り図だ。トリックは立体的な空間、ときには、時間も駆使される。物語の中で密室殺人が解き明かされていくとき、いつの間にか平面ではなく立体的にイメージしている。ミステリー小説を読むことは、間取り図から部屋を立体的にイメージするトレーニングになるのかもしれない。この本は「日本探偵小説史上の三大奇書」「アンチ・ミステリーの傑作」と称されているが、間取り図の挿絵がたくさん出てくる。ミステリーファンだけでなく「間取り図フェチ」にもオススメできる。