団地住まいのイスラム教徒移民家族、
そのふつうの日常を5年間撮影!

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バングラデシュ出身、千葉の団地に暮らすジャシム一家を5年にわたって撮影し続けている田川基成の写真展が、大阪のニコンサロンで開かれている。

バングラデシュ出身、千葉の団地に暮らすジャシム一家を
5年にわたって撮影し続けている田川基成の写真展が
大阪のニコンサロンで開かれている。

見知った団地の間取り、風景の中で営まれるジャシム一家の日々。
ちょっとフシギな感覚も覚えるが、これも今の日本社会だと気づかされる。

―ジャシムさんご家族とはどうやって知り合ったのですか?

田川:東京の池袋西口公園で毎年4月に行われる「ボイシャキメラ」という、日本に住んでいるバングラ人が何千人と集まるお祭りがあるんです。そこで、このご家族を見かけて、すごく仲良さそうな雰囲気だったり、着ている服もおしゃれだったので声をかけました。

―何千人というバングラデシュの方が集まってる中でも目立っていましたか。

田川:日本にいるバングラ人の中でも、彼らは特別おしゃれだと思いますよ。そのときに撮った写真を送ってあげたら、その1週間後くらいに電話をいただいて「カレーを食べにおいでよ」と。

―お誘いが早いですね。

田川:その前に僕も1カ月くらい、バングラデシュに旅行で行ってたので、バングラ人のフレンドリーな感じは知ってたから、その誘いを受けてのこのこと遊びにいきました。それが2012年だからもう撮りはじめて5年がすぎました。

―訪ねていった先が団地だったんですね。

田川:そうです。団地を求めて行ったわけじゃないですよ。彼らとしては家賃の安さで団地に行き着いたみたいですけど、出会った頃は家具も少なくてシンプルな感じだったのが、もう棚やソファが増えてきて、今はかなり手狭になってます。

出会った頃の住まいの様子。

―バングラデシュの方に限らず、5年も同じ住まいを見続けていると面白いでしょうね。

田川:家族が増えるにしたがって、家の荷物も増えていきますね。今は6人家族ですから。

―撮影はまだ継続されている?

田川:そうですね。子どもたちが大きくなっていくので、少しずつ撮ってます。

―もはやジャシム家の専属カメラマンですね。

田川:他に撮影している家族がいるわけじゃないから、ほんとそうですね。

―印象的な住まいの風景って何かありましたか。

田川:そうだな…すごくたくさん服を持ってる家族なので、服がタンスに収まりきらなくて、ゴミ袋に服を詰めてベランダに置いてますね。

―捨てるわけじゃなくて。

田川:そういう保管のやり方です。

―展示されている作品を見ると、学校の日曜参観や団地の盆踊りなど、ごく普通の日々が写されていますね。

田川:1年前から少しずつ作品としてまとめはじめたのですが、一番気を遣ったのは、彼らがどこか遠い場所に暮らしているのではなくて、すぐ近くに住んでいる家族、身近な存在だと感じてもらえるように心がけました。

―異邦人じゃないと。

田川:そうですね。彼らの暮らしを見ていると、ほんとに団地とその周辺が生活圏なんです。ときどき、お父さんが車で遠出することはあるけど、基本的に子どもたちはほとんどを団地で過ごしている。学校も団地のすぐそばですから。だから、反対に彼らにとっては団地が日本だと映っていると思います。


写真はすべて田川基成「ジャシム一家」より。

<INFO>
田川基成写真展 ジャシム一家
日時:2017年9月28日(木)~10月4日(水)
会場:大阪ニコンサロン(梅田・ヒルトンプラザウエスト13階)

*田川基成ウェブサイト:motonaritagawa.com

文:竹内厚