わたしたちの #カリグラシ 論

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ついに! OURS.の書籍『#カリグラシ 賃貸と団地、貸し借りのニュー哲学』が発売されました。ここでは、この本を読んだひとのご感想や、さまざまな方の#カリグラシ論を紹介していきます。

 

 

ぴあの編集担当者から、
『#カリグラシ 賃貸と団地、貸し借りのニュー哲学』発売によせて

オールシングスマストパス
text by 和久田善彦(ぴあ株式会社)

この本をつくりながら、編集者の仕事というのは、まさしく「借り暮らし」である、といったことを考えていました。「#カリグラシ 賃貸と団地、貸し借りのニュー哲学」は、版元の編集者である自分と、このウェブサイト「OURS.KARIGURASHI MAGAZINE」を手がけてきた竹内厚さん、平野愛さんとともに編集したのですが、OURS.外部である私の立場としては、いわばウェブサイトのコンテンツを借りてこの本をつくった、というわけです。しかしながらそれはこの本に限った話でもなく、ふだんから著者の言葉を借り、写真家やイラストレーターの作品を借り、デザイナーの力を借り、誰かの考えや技術を借り……、多くの人々の力を借りて本をつくっています。そう考えてみると、すべての仕事は「借り暮らし的」なものといえるのかもしれません。
では、そもそも自分が「持っている」ものってなんだろう。そのアイデアは、そのスキルは、果たして生まれながらにして自分にしかないものなのだろうか。そして、それらは、もはや誰に借りたのかもわからないけど、借りているのなら返さなきゃいけない。さて、誰に?

OURS.を書籍化するにあたってのキーワードは、「多様性」。生活のあらゆる場面に、「借りて暮らす」ことは潜んでいます。そこに存在するいろんな「おもしろい」を実践する人々の在り方を、シェアし、パスしていくためのツールのひとつとして「本」ができました。
この本によって、借り暮らしの魅力と可能性を、より多くの人に伝えることができたらうれしいです。もし読んでおもしろいと思ったなら、誰かにそのことを伝えてほしい。この本を「貸して」あげてもいいし、図書館で「借りる」のもいい。もちろん、買ってくれたら、もっとうれしい。

貸し借りとは、何かを共有したり、バトンを渡すようなものでもあって、言ってみれば、その間に立つのが私の仕事です。
この本をつくるにあたって、改めてOURS.に蓄積された、借り暮らしにまつわる膨大なテキストや写真やイラスト、映像を見返しました。そして、私がここから借りたものを次にパスする相手は、きっと、まだ見ぬ読者のみなさん。この本が多くの人に広がっていくことが、たぶん、編集者にとっての「借りたものを返す」ことなのだろうと思います。