日本一の図書館が岡山にあった。

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来館者数、貸出冊数も10年連続日本一。
そんなニュースを聞いて、行ってみたくなった岡山県立図書館。

平成26年度の統計によると…
年間個人貸出冊数は144万冊で1位。2位大阪の89万冊をぶっちぎっている。
年間来館者数も104万人で1位。2位山梨の90万人、3位大阪の75万人を大きく引き離している。

ちなみにこれ、
都道府県立図書館の統計なので、市町村立図書館は含まれていない。
実は、都道府県立図書館というのは、市町村立図書館を援助する機能が求められていて、また、レファレンスサービスや相互貸借などで他館との協力活動を行っているんだとか。

つまり、都道府県ごとに市町村立図書館との関係性や役割が違っているので、統計の数値だけでは測れない面もあるってこと。
たとえば、兵庫県立図書館の公表されている個人貸出冊数は5万冊。
岡山県立図書館の144万冊に対して少なすぎるけど、きっと県立図書館として目指しているところが違うんでしょう。

そんな図書館キソ知識、岡山を訪ねてから初めて知った…。
図書館で、単純に日本一を言うことの難しさを感じながら
館内へー。

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広々として気持ちいいつくりで、ガラス越しには岡山城が見える。
そんな岡山県立図書館の
いいなぁと思ったところベスト3!

まず、その1
「あちこちに本の提案があること」。

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実際にテーマごとに本を並べた書棚をはじめ、
新着図書は簡単な紹介文付きでプリントアウトされて一覧できるように。
他にも、「産業遺産」「SNS」「原子力」とかいろんなテーマごとに資料リストがつくられていた。
訪ねたのは鬼怒川豪雨から6日後だったので、当然のように、豪雨・洪水の緊急特集コーナーもあり。

その2
「長いカウンターと対応スタッフの多さ」。

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部門ごとに置かれたリファレンスカウンターがずんと長くて、
コンピューターを前にした職員の「なんでも聞いてや」感はかなりのもの。
せっかくなので、「貸し借りをテーマにして、でもここ最近のシェアという切り口ではなく、きっちり学術的に語られた本」という、無理難題を相談したところ、あれこれ探して何冊も紹介してくれた。

たとえば、こんな本。

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田中重好『共同性の地域社会学 祭り・雪処理・交通・災害』
(ハーベスト社/2007)
今後のOURS.の編集に生かしたい。

その3
「児童書を全点購入」。


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最近のあたらしい図書館は、子供の本が充実しているところが少なくないが、
岡山県立図書館ではさらにもう一歩踏みこんで、研究者らにも向けて、児童書の全点購入をおこなっている。その月ごとに刊行された児童書がすべて開架書棚に集められていてとても便利。個人的に買う買わないの判断もここならじっくり検討できそう。

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岡山県立図書館は、確かにイイ図書館だった。とはいえ、自分は岡山県民ではないので、ここで本を借りてというのは現実的ではない。

なんて思いながら、図書館にはつきものの郷土図書コーナーを最後に見学。そこで目についた建築本をいくつか見ていると、図書館のごく近所に「禁酒会館」なる古くからの建物があることを知った。

図書館からの帰り道、禁酒会館に立ち寄ると、思ってた以上にいい雰囲気の建物で、1階のカフェでは店番しつつ編み物をしているおばあちゃんの姿。そこで珈琲を飲みながら話してるうちに、「似合う似合う」と言われて、おばあちゃん手製のニット帽を買うことに。しかも、その日の昼に編みたて!

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利用者がうまく使えたら、そこが最高の図書館。
だとしたら、岡山県立図書館はやっぱりナイスな図書館だった。
そしてやっぱり、知らない町では郷土図書を斜め読みするのが役に立つ。

(文/竹内厚 写真/沖本明)