ジブリの世界で建物探訪!

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ジブリ作品に登場する、数々の印象的な建物。この中から日本建築にぎゅっと焦点を絞った展覧会が、現在、神戸の竹中大工道具館で開催中。
先日、大阪のあべのハルカス美術館で美術館としての記録となる35万人の来館者を集めた「ジブリの立体建造物展」は、その大阪で全国巡回を終了しているが、竹中大工道具館ではその規模を縮小しながらも、草壁家の一部を実物大で再現した模型を制作するなど、竹中大工道具館らしい展示を実現している。

草壁家(となりのトトロ)©1988 Studio Ghibli

なお、「草壁家」というのは、『となりのトトロ』でさつきやメイが暮らしていた家で、これ、実は昭和初期に普及した和風住宅に洋館が付いた家で「中廊下式」。『風立ちぬ』で見られる二郎の下宿は、「下見板張り」で東京の下町住宅の典型だ。なんて、劇中に目にした建物について、こんな風に語ることができるのも、展覧会を監修する建築史家・藤森照信さんの細かな解説が展示にあわせて行われているから。

タタラ場(もののけ姫)©1997 Studio Ghibli・ND

展示される制作資料のほとんどは、あの人気キャラクターたちは不在で、人影のない、建物や空間を描いた背景画や複製の美術ボードを中心に約70点。画面上に建物を成り立たせるために、ジブリでは正面図、俯瞰図、斜め俯瞰図、鳥瞰図、間取り図など、建物や街をあらゆる角度から描いてもいて、まるで実際に建物を建てるかのよう。2次元の絵の力を借りて、リアルな建物を見るための目線を学ぶ、これ以上ない題材ともいえる。
日本で唯一の大工道具の博物館で、日本建築のあれこれを目にしながらジブリの建築に思いをはせる。あらためて建物のことを見つめなおすいい時間になりそうだ。

油屋(千と千尋の神隠し)©2001 Studio Ghibli・NDDTM

<INFO>
『アニメーションにみる日本建築 ジブリの立体建造物展より』
日時:2018年2月24日(土)~5月6日(日)
会場:竹中大工道具館 1Fホール
入館料:一般500円 大学・高校生300円 中学生以下無料

文:竹内厚