団地ヒストリー(昭和20年代編)

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京橋会館(広島市)

 
京橋会館はかつて広島駅から徒歩10分ほどの所に建っていた市営住宅です。原爆で壊滅的な被害を受けたまちの復興と住宅難を解決するため1954年に竣工しました。建物を敷地目一杯に建て、その中に中庭を設けるという、後の公団の市街地住宅に似た建ち方をしていました。この中庭が実に気持ちいい空間だったのですが、2011年に惜しまれつつ解体されてしまいました。

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大阪府営金岡住宅(大阪府堺市)

日本住宅公団による賃貸住宅第1号は、昭和31年に完成した金岡団地(現・サンヴァリエ金岡)。その公団金岡団地に先駆けて、昭和29~30年度に建設されたのが大阪府営金岡住宅です。
場所は公団金岡団地のすぐ北側。公団賃貸第1号として注目を浴びた公団金岡団地に負けず劣らず、この府営金岡住宅も片廊下型など、多様な住棟と立派な給水塔を備えた風格ある団地でした。両団地の並ぶ姿は、戦後初期の大阪を代表する団地景観だったことでしょう。なお、現在は建て替えられ、大阪府営堺南長尾住宅となっています。

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函館市営松川団地(北海道函館市)

 
北の大地、函館にある団地。雪国のため、階段室も閉じられた形になっています。函館市史によると、完成当初、作り付けの2段ベット(大人用)がついていたとのこと。当時としては画期的であり、この団地が特別だったことがわかります。入居者も学校の先生、消防・警察、市役所の人たちなどで、当時の高給取りでなければ入れませんでした。昭和20年代のセレブ住宅であったことがわかりますねー。

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浜松市営名残アパート(静岡県浜松市)

静岡県は昭和20年代の団地の宝庫で、浜松市内にも多く残っています。この名残アパートは、全国に広く見られる「公営住宅標準設計」に準じた形式の4階建てと、「CBアパート」名付けられた浜松市独自の形式の2階建てが並んでいます。
「CB」の意味をメンバーで考察した結果、「コンクリートブロック」の略ではないかという結論になりました。この「CBアパート」は、現在も浜松市内の数か所に点在しています。

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愛知県営紅梅住宅(愛知県名古屋市)

名古屋市昭和区の紅梅住宅。4階建ての住棟が2棟だけ並んでいる、わりと小規模な団地でした。「紅梅」という名前が付いていますが、写真のように、団地の周りを立派な桜の木がグルリと囲んでいました。すでに建て替えが完了して、今ではピカピカな6階建ての住棟に生まれ変わっています。しかし、桜の木は数本だけですが、昔からの姿で残されています。

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岡山県営老松・倉敷市営老松第一・老松南団地(岡山県倉敷市)

倉敷市の中心部近くに立地する団地です。4棟あるうちの3棟が昭和20年代に建てられた住棟です。マンション等の高い建物が建っていく中で、ここだけゆったりとした時間が流れています。横には電波塔もありまして、その対比が特に気に入っています。ゆったりめの住棟間隔に時代を感じます。
ここは岡山県営と倉敷市営が同一敷地にあるので、県営と市営の作りこみの違いも堪能できます。

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次回は「冬に訪問したいオススメ団地」選です。お楽しみに!
  • 「団地をARTに」を合言葉に日々、啓蒙活動を行っている団地愛好家集団。

  • “URソムリエ”として、関西バンドマン150人以上をUR団地暮らし(主に市街地住宅)にアテンド。「団地は日本の原風景だ!」を合言葉に団地カルチャーの素晴らしさを世の中に発信中。

  • ツインコリダー型住棟をメインに愛でる団地愛好家。団地をモチーフとした楽曲で郷愁とイマジネーションを刺激するポップユニット「D+」のギターボーカルとしても活動中。

  • 岡山県の団地を内外に紹介している団地拝見家。団地お守り「団地守」の生みの親。

  • 愛知県春日井市の高蔵寺ニュータウン出身。現在4軒目のURで団地生活を楽しむ、自称・団地サラブレッド。「名古屋の団地女子」として、団地の公園にある動物遊具に夢中。

  • 2008年、日本給水党を結党。以来党首として日本全国の団地を取材し、「団地の給水塔」の魅力発信と地位向上を目指し活動している。

  • 団地にとりつかれた建築家。設計事務所吉永建築デザインスタジオで団地リノベーションの設計を手がけるとともに、「団地不動産」にて団地の不動産仲介も行う。

  • 古めの団地と、団地内の植栽を愛好する大阪出身の平凡な会社員(非建築系)。団地を求めて各地を旅し、最近は台湾の団地にハマっている。

Journal D

UR職員が団地内のいろんなお店を訪ねた「グルメD」。団地愛好家集団“チーム4.5畳”による、団地のイロハをゆかいに伝える連載「週刊4.5畳」など、さまざまな角度からダンチに迫ります。