with
ANI(ラッパー)、セク山(DJ)
around
河原町~丸太町~西陣団地〈京都市〉

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ひきつづきスチャダラパーのANIさん、セク山さんと散歩中です。最終回となる今回は西陣の団地へ。ああ、散歩っていいよなぁ。と思わせてくれる、暮れなずむ街のおふたりなのでした。

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#03

『ブラタモリ』で/公園でサイファー/団地育ち/エレベーターアクション

—今出川の方に向かいましょう。かっこいい団地があるそうです。

ANI:京都ってほんとに平地なの?

—市内の中心部はそうですね。

ANI:ちょっとした坂もないの?

—北に向かってちょっとだけ上り坂ですけどね。

ANI:塀で囲まれてるんだよね。『ブラタモリ』でやってた。

—御土居、ですかね。秀吉が築いた堀と土塁。

ANI:その名残があるんだよね。見に行ったなぁ。水戸黄門の撮影のとき。ヒマだったから。

—いろいろ京都を満喫されたんですね。ちなみに、最近の日本語ラップの盛り上がりはどう思われます? ANIさんも『フリースタイルダンジョン』出ましょうか。

ANI:出てもいいけど…。出ても、ウッ、何も言えねぇ…みたいになる。

セク山:(笑)

ANI:でも、すごくいいんじゃないですか。(日本語ラップの)裾野が広がって。進化してるんじゃないですか。

セク山:俺、『フリースタイルダンジョン』は1回も見逃してないですよ。

ANI:まじで? でも今、高校生とかだったら(ラッパーを)目指そう! って思うよね。ひとり、ひとヴァースくらい持ってるんじゃない。いまの子はさ、見本がいっぱいあっていいじゃん?

セク山:そうですね。公園でサイファーとか普通だったりしますよね。

ANI:でも、ラッパーの数が多いし、ラッパーになったはいいけど、これからどうやっていくか? が問題になってくるよね。

セク山:すっごいひねくれてるやつ、とかしか生き残れないのかな。

ANI:それか、ものすごいスターが出てくるかだよね。KREVA以降、SKY-HI以降の。

—たしかにそうかもしれませんね。さて、西陣団地までやってきました。

ANI:へー。この団地、中庭があるの。すごいな。なんかイギリスの団地みたいだな。

セク山:ここいいですね。昔、友達が川崎の団地に住んでてよく遊びに行ってたなぁ。

—ANIさんは団地育ちですよね。川崎ですか?

ANI:東京の端の方の団地から引越して川崎の団地に。学区は団地ばっかのところだったし。ベッドタウンだね。友達も団地だから違う団地に遊びに行ったり。

—中庭に入ってきました。ここ、もともとは子ども用の遊具なども置かれてたみたいですよ。

ANI:おっ。

セク山:すごっ。これはいいっすね。

—四方を廊下に囲まれて壮観ですね。ANIさんが育ったのはどんな団地でした?

ANI:こんな感じじゃなかったな。もっと小さくて。

セク山:思い出しましたけど、子どもの頃、団地のエレベーターで(ゲームの)「エレベーターアクション」みたいなことやってましたね。

ANI:やるやる(笑)なんだろうね、あれ。学校の帰り道に途中の団地にわざわざ行って、1回エレベーターで上がって、廊下を通って、別のエレベーターで降りて、っていう寄り道。

—なにかを運転してる感?

ANI:そうかな。なんだろうね。

—それじゃ最上階の10階まで上がってみましょう。

ANI:わっ、ここ住みたい(と写真を撮影しはじめる)。

—予想以上の眺めです。ANIさんは写真集を出版されていましたがその第2弾は?

ANI:うーん。出したい! という気持ちはある。

—期待してます。セク山さん、ここの団地はいかがです?

セク山:いいですねー。わりと扉を開けっ放しの家が多いのも。住んでみたい。

—夕飯のにおいもいい感じです。

セク山:そこも含めていいですね。さっきから何かを炒めてるおいしそうな夕飯のにおいがしてますよね。

ANI:それにしてもこの団地、なんかすごく外国っぽい感じする。なんでだろ。

セク山:ここでドラマとか撮れそうですよね。

—たしかに。そろそろこの企画の制限時間、2時間経つのですが、今回の京都散歩はいかがでした?

セク山:えっ、もう2時間?

—あっという間ですね。

ANI:街ブラ、もっといろいろ行きたい。京都は道がまっすぐだから歩きやすいし。ニューヨーク的な。東京は街がデカいじゃん?

セク山:そうですね。こんなに京都でゆっくりすることもないので面白かったですね。それにしてもここの団地はすごいですね。

ANI:(ケータイを見ながら小声で)あ。

—どうしました?

ANI:ショック! 武井咲、結婚…しかも妊娠3ヶ月。

セク山:えっ!?

ANI:やっぱ時代はEXILEなのか…。

セク山:(笑)

文:中村悠介 写真:原祥子 編集:竹内厚


散歩と観察とは

デザイナー、アーティスト、建築家といった、独自のまなざしを持つ方々といっしょに町を歩きます。お題は、パブリックなモノやコト。公園、ベンチ、駅、図書館、路地、空き地、看板などなど、その観察眼はどこへ向けられるでしょうか。